【完】キミにぞっこん
「どこへ?」


「2階です」


「2階?」



このお店が2階にも繋がっていたことにびっくりする。



「二階席もあったんですか?」


「席ではないですけどね」



くすりと笑う。



「何があるんだろう…」



どことなく不安になりながら佐賀さんの後をついて歩く。



「ここ開けてください」



大きな扉があってそこにあたしの手を置かせる。



「佐賀さんが開けないんですか?」


「ここからは愛來さんがお1人です」


「え、ひとり?」


「入ればわかりますから」



佐賀さんがにっこりと笑ってあたしの背中をポンっと叩く。



「はぁ…」



不安になりながらそおっと扉を開ける。



「え?」



目の前に広がってきた光景に言葉を失う。



━━パタンっ



扉が閉まる音が響く。



「びっくりした?」



中であたしを待っていたのは星那。


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