【完】キミにぞっこん
「ほら、おいで」



助手席のドアを開けて
あたしに手を伸ばしてる。



「よいしょ」



星那の手を取って車を降りる。



「行こ」



車にキーを向けて、鍵を閉める。

そういう動作一つとっても
星那はカッコイイ気がする。



「星那ってほんとモテそう……」


「なにそれ」



ぷっと笑う。



「だってなんか動きひとつとってもどれもかっこいいんだもん」


「照れるからそれ以上言うな」



あたしの鼻をつまむ。



「いしゃい」


「なに?」



鼻をつままれてるからうまく話せないあたしを
可笑しそうに笑う。


ほんと、星那といるの楽しい。


星那はほんとどれもわかっている。
何をしたらあたしが楽しいのか。



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