【完】キミにぞっこん
「ただいまーっても誰もいないけどな」



〝いつも言っちゃう〟


って笑った。



いつかあたしが



『おかえり』



そう言えたらいいのに。

そう思った。

まだ知り合っても一ヶ月くらいしか経ってない。
でも、星那以外と。なんてありえないことで。

いつか、星那とって思ってる。



「星那、ご飯は?」


「あー、適当にカップラーメンとかで」



キッチンの棚を開ける星那。



「だめ!そんなの体に悪い!」


「え?」


「あたしが作る!冷蔵庫開けていい?」


「…いいけど」



星那の返事を合図に冷蔵庫を開ける。


開けたのはいい。

何も入ってない。



「…星那」


「は、はいっ」



なぜか敬語で返事をする。



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