【完】キミにぞっこん
「なにもないんだけど」


「冷蔵庫、飲み物入れたことしかない」



なんて頭をかく。



「飲み物!?」


「うん。うちでご飯食べない」



星那の言葉にため息が出る。



「どんな生活してるのよ」


「俺、料理できないし」


「じゃあ、今度から」


「ん?」


「デートの時はあたしがここで作る!」



星那に向かって指をさす。



「何そのドヤ顔」



星那はゲラゲラ笑ってる。



「真剣なのに」


「ごめんごめん。ありがとう。嬉しいよ」



あたしが不貞腐れれば、こうやって頭を撫でてくれる。


どうやっても。
星那のほうが1枚上手で。


あたしばかりドキドキしっぱなし。


< 51 / 235 >

この作品をシェア

pagetop