【完】キミにぞっこん
「つーか、風呂入ってきていい?」



あたしの顔をのぞき込む。



「いいけど、ご飯は?」


「んー。ここの下にコンビニあったじゃん」


「うん」



さっき見た光景を思い出す。



「あそこで食材買ってきて簡単なもの作ってくれる?」



カバンを手に取る。



「お金はこれで」



あたしの手にお金を乗せる。



「いいよ。お風呂ゆっくりしてて」



星那が乗せたお金を握りしめる。



「ありがとな」



満足そうに微笑む。



「じゃあ行ってくるね」


「おー」



あたしの言葉にひらひら手を振る。

なんかそんな姿がすべて愛おしかった。



星那とは出会ったばかりなのに
なんだかずっと一緒にいるような。

そんな安心感があるよ。


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