【完】キミにぞっこん
「あたし買うもの忘れたから帰ります!」



もうこれ以上ここにいるのは無理で。



逃げるようにそのまま走る。


あそこにい続ける勇気は持ちあせてなかった。


ここのマンションは会社の指定マンションになってるみたいで。
一人暮らしの人は結構住んでるみたい。


由月さんもここのマンションの住人。



──チーン


エレベーターが1階に到着する。


すぐさま乗り込んで
なにも考えないように星那の住む8階を押す。


早く星那に会いたい。
星那に触れたい。

忘れたい。

頭にこびりついてしまった
あの顔を。

あの2人の光景を。


「なんで今更…」



現れたりするの。


せっかく星那のことを好きになれたのに。



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