【完】キミにぞっこん
「そんな事って?」



意地悪そうな笑みを浮かべる。



「せ、星那のバカ!」


「バカ?そんなバカが好きなのは?だれ?」



じわじわとあたしを壁に追い込む。



「し、しらない!」


「ふーん。そういうの結構そそるよ?」



そう星那が口にしたときにはもうあたしの後ろに下がれる場所はなくて。



「逃がさないよ」



そのまま唇を奪われる。



「んっせ、な」



なんどもなんども
角度を変えては求められる唇に


さっきの気持ちなんて
なにもなくなってた。


頭のなかは星那でいっぱい。



「好きだよ」



一瞬唇が離れた瞬間に
星那にそう告げる。



「何お前、そーいうのどこで習ったの」



ふっと笑ったかと思ったら、今度は体が宙にうく。


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