【完】キミにぞっこん
「あいつ今日初めて課長と出張行っててさ」


「そうなんだ」


「なんか眠れねーとか言ってんの」



星那が可笑しそうに笑う。



「早瀬が羨ましい」


「なんで?」



不思議そうな顔してあたしを見る。



「だって、仕事でも一緒にいれるんだもん」


「なーに言ってんの。愛來が早瀬だったら俺困るんだけど」



あたしの頭を撫でる。



「まぁ、たしかに」


「俺らは俺らで地道に進めばいいんだよ」



ぎゅっとあたしを抱きしめる。


あたしはこの手を離さない。
そう心の中で誓った。



「そーいえばコンビニで由月にあったんだって?」


「え?」


「由月からLINE来てた」



スマホを指さす。



「う、うん会ったよ」


「彼氏といただろ?」


「うん。泰志さんの弟だよね」



なんて聞いてないはずの言葉まで話してしまう。


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