【完】キミにぞっこん
「じゃあね」


愛來がタクシーに乗り込む。


愛來が乗ったタクシーが遠くなっていく。
まるで俺と愛來の気持ちを表してるようで怖くなった。


「…なんでこうなんだよ」


「おー星那ー!」



後ろからガバッと抱きついてくる。



「お前、酔ってんのかよ」



抱きついてきたのは智志で。


「お酒なくなったから買ってきたんだー」



と、袋を見せてくる。



「あ、愛來と付き合ってんだね」



俺をニコニコと見ながら言う。



「は?」


「さっき会ったって由月に聞かなかった?」


「いや、それは聞いたけど」


なんでこいつが愛來って呼んでんの?



「幸せにしてやって」



なんて知り合いのように言う智志に
疑問ばかりが浮かぶ。


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