【完】キミにぞっこん
「あ、愛來(あいる)ちゃん!」



早瀬が受付に向かって手を振る。



「お疲れ様。外出?」



〝愛來〟と呼ばれたのは俺が朝見つけた女の子。


あ、そっか。
こいつら同期か。


「新しい受付の子?」



俺は二人に近づく。



「あ、はい。澤上愛來(さわかみあいる)って言います」


「俺は、こいつの部の部長の如月。如月星那。よろしく」



俺は彼女の手を伸ばす。



「よろしくお願いします」



彼女もにこっと笑って俺の手をとる。


やっぱり。
好きかも。


「あ、星那」



裏から俺と同期の由月(ゆづき)が顔を出す。



「おー。由月」


「あたしたち同期なのよ」



由月が彼女に微笑む。



「じゃあ行くか。早瀬」


「はい!」



俺が歩き出すと早瀬が走ってついてくる。


やっぱ犬みてぇ。

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