【完】キミにぞっこん
「まさか、その相手って…」



俺が聞こうとしたときには
すでに智志は規則正しい寝息を立ててて。



「寝てるし…」



あそこまで言っといて寝てんなよ。



「あー由月?エントランスで寝てるから連れてくね」



由月に電話で伝えて、寝てるこいつをかついで
エレベーターに乗る。



「たく。なんなんだよマジで」



もし本当に智志がその元カレだとして。
愛來の中から全然消えてねぇじゃん。


智志と由月に会ったことに動揺して
コンビニでも何も買ってこねぇし。


まぁ、もし本当に智志だとしたら
本当にあの話は愛來にとって辛い話だよなな。

トラウマだから。
とかじゃない。

その彼女が自分だから。だ。

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