【完】キミにぞっこん
「智志、まだ好きだよ愛來のこと」



俺の言葉に目を見開く。



「…え?」


「智志だよね?元カレ」


「…うん」



愛來がこくんと頷く。



「俺、愛來と別れるつもりないよ?」



愛來の顔をのぞき込む。



「あたしだってないよぉー」



愛來が目に涙をいっぱいためて
俺に抱きつく。



「昨日あんな態度取っちゃったからもうだめだろうなっておもった」


「いや、その話が愛來だったなんて思わなくてほんと無神経だった。ごめん」


「星那は悪くないよ。知らなかったんだもん」



ぎゅっと俺に抱きつく。



「そんなふうにされたら」


「ん?」


俺の顔を見てくる愛來の唇を塞ぐ。



「我慢しすぎた」


俺の言葉に



「昨日、できなかったもんね」


なんて笑う。


全てが愛おしい。
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