【完】キミにぞっこん
「いらっしゃいませ」



店員が明るく出迎える。



「いつもの」



俺はそれだけ告げていつもの席に行く。



いつものようにパソコンを広げてキーボードを打ち始める。


商談の後の日課。
必ずこの喫茶店にくるようにしている。



「…あの」



没頭して資料を作成していると不意に横から声をかけられる。



「…ん?」


「お疲れ様です」


「…あ」



そこにいたのはあの受付の子だった。



「休憩?」


「あ、はい。如月さんも?」


「俺はまぁ、その周りの事務処理しにきた」



パソコンを指差す。



「あ、邪魔してごめんなさい」



彼女はとても申し訳ない顔になる。


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