【完】キミにぞっこん
「あれ、受付の子じゃん」



そんな声が聞こえたから俺も愛來も顔をあげる。



「あれ?」



俺に気づいて目を丸くする。



「星那じゃん」



って笑ってる。




「おー。雷人」



俺もなるべく普通に接する。



「知り合い?」



愛來が首をかしげる。




「幼なじみ」


「え!?そうなの!?」


「ふたりは仲いいんだ?」



雷人がニヤっと笑う。
この顔知ってる。
俺が最も嫌いな顔。



「…まぁな」



それだけ答える。


わかってたから。


〝彼女〟



そういえば、雷人がどう出るか。


生まれたときから高校までこいつと一緒だったんだ。
だいたいのことはわかる。



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