【完】キミにぞっこん
「なぁ、愛來」



会社の近くの公園まで歩く。



「どうしたの?」


「俺、愛來のこと失いたくないの」


「それはあたしと同じだよ?」



愛來が俺の手をとる。



「…愛來」


「牧野さんと過去になんかあったぽいね?」



愛來が俺の頬を両手で包む。




「アイツさ、俺の彼女とか好きなやつ奪うんだ」


「え?」


「なんでかね。わかんねーけど」



俺は空を見上げる。


空を見れば
なんか頑張れる気がするんだ。



「星那にも苦手なものあるんだね」



見てみれば笑顔の愛來。




「なに笑ってんだよ」


「だって、完璧なとこばかりみてるから」


「バーカ俺だって人間だし」



愛來な頭をぽんっと叩く。



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