ロリポップ~甘い甘い恋に堕ちましょう
リザーブ席は真ん中から後ろ3列ありました。
私たちはその中でも中央になってました。
さっきとおんなじ順番に座ります。
はっ!
コイケンさん、すでに寝る態勢を整えていますよ。
さっき私がフロアで借りたブランケットをかけて目をつぶっています。
「石田さん」
「あ?」
「コイケンさん……」
石田さんはコイケンさんのほうをチラッと見て、
「ああ、コイケン。メジャーなのとか興味ねぇんだよ。
B級とかさっきみたいなホラーが好きなんだよ」
と。
「そうなんですね。じゃあ、この映画のチョイスは石田さんですか?」
「そう。オレもアカデミーとかはどうでもいいけど、これは観てぇなって思ってて」
あ、そういえば、パンフも買ってましたもんね。
そして、そのパンフをさっそく広げて読み始めました。