ロリポップ~甘い甘い恋に堕ちましょう


桃川さんは私から離れて、
じっとさっきみたいに私の目を見つめてきます。

すごーくキンチョーしますけど、
私もがんばって見つめ返します。


「真由ちゃん。オレと付き合ってくれる?」

改めて訊いてくださいました。
すごーく真摯に向き合ってくださっています。

「は、はい。
 こちらこそ、ど、どぞよろしくお願いしますっ」

ペコリ。頭を下げました。


「やった~」

そう小さく叫ぶと桃川さんはガバッと抱きついてきて、
そのまま押し倒されてしまいました!

ど、ど、どうしましょ!

桃川さんが、桃川さんが!
私に覆いかぶさっています!


「あー、マジ襲っちゃいそう!」

「ぎゃああああ、ダメですダメですダメです!」

「うん、真由ちゃんのハジメテは大事にしましょうね」

え?

鼻と鼻がくっつきそうなくらいの位置に顔があります。
その距離で桃川さんがニッて笑いました。

「勝手な想像だけど、
 オレは真由ちゃんの初めてのカレシで、
 真由ちゃんはまだなにもしたことないって思ってるけど~。違う?」

うう。
違いません、違いません。

大正解です。

でも、それを肯定するのも否定するのもなんかイヤですね!


「答えたくありませんっ」

「んっ、オッケ。だから大事にしていきたいなーと思いましてっ」

そう言うと、桃川さんはピョンッとその場からどきました。


「ホントーはチューぐらいしたいけどさー、とまんなくなりそうだしね」

はうう。

ムリですムリです、ムリですっ!


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