ロリポップ~甘い甘い恋に堕ちましょう
ではでは。
「いただきます」
「どうぞ」
桃川さんを見ながらお礼の意味も込めて言うと、
ニコッて笑ってソフトクリーム同士をグラスみたいにぶつけて
そう言ってくださいました。
パックン。
うん、うん。
裏切らないこのおいしさ。
バニラもチョコも大好きな私としては
ミックスは最強で最高の組み合わせなのです。
「おいしいです」
桃川さんがニコニコしながら私を見てたんで、
何度もうなずきながら感想を述べました。
ん?
桃川さんが私の口元を見ています。
「唇のはしっこについてるよ」
ああ、かぶりついっちゃったんで
しょうがないですね。
ひゃあああああああ。
一瞬の出来事でよくわかりませんでしたが!
桃川さんの顔が近づいてきたかと思った瞬間の出来事でした。
クリームがついていたと思われる口角を
舌でペロッとしたのです!
どひゃああああああ。
「ごちそうさまでした」
フッツーに言われました、フッツーに。
ニッコリと笑いながら。
フッツーに。
ぎゃぎゃぎゃぎゃ。
またまた顔を近づけてきました。
そして耳元に息がかかります、
「おんなじミックス食べてんのに、
真由ちゃんのはすっごいおいしかったよ」
とささやかれました。
いつもなら桃川さんはそういうことを言ったあとはすぐに離れるんですけど、
今日はなかなか離れてくれません。
それどころか!
それどころか!
それどころか!
耳元でず~っと
「好き」とか「かわいい」とか
言ってくるんです!
それも、時々鼻先をスリスリさせて!
うーうーうー。
胸がはちきれそうです。
アタマがドカーンってなりそうです。
おなかの下のあたりがキューンってなっちゃいます。
ううう。
桃川さんに抱きつきたい衝動に駆られちゃいます。
でも、とてもとてもそんなことはできないのです……。
はううう。