【完】プライドなんか知らない
つれないあの子 Side:綾人
なんだか、よく分からないけど。
『一人で行動する』宣言を受けてから一週間。
なんか、避けられてる?
理由をあれこれ考えるも…。
当てはまるものは何もなくて。
小首を傾げたまま、パキンっとタブレットを奥歯で砕いた。
口に広がる、ほのかに苦いミント味。
まるで、それはオレの気持ちのよう。
今もオレの存在から逃れるみたいに、クラスの女子と話してるけど。
チラ。
チラリ。
なんとなく感じる新條の視線。
何か言いたいことがあるんだったら、そんな風にしてないで、オレに直接ちゃんと言ってくれればいいのに。
チラ。
チラリ。
そんなことされちゃうとさ、オレ勘違いしちゃうよ?
オレの方を向いてくれるのかなって、思っちゃうよ?
でも、オレは分かっているから。
新條は人に何かを押し付けられるのが大嫌い。
そして、しつこいのも女々しいのも大嫌い。
だから、ね?
「ふぅ…」
オレは溜息を吐きつつ、頬杖をついて窓の外を眺めた。
新條の視線をなるべく気にしないように、平静を装って…。