【完】プライドなんか知らない
そんな中。
授業中だというのに、前の席の方からコッソリとルーズリーフの手紙が回ってきた。
差出人は、クラスメイトだけど、よく知らない子。
『最近、新條さんと一緒に居ないけど別れたの?』
うるさいなぁ。
…余計なお世話なんだけど。
ていうか、そもそも付き合ってるわけじゃない。
オレの苛立ちに構わずその手紙の文面は続く。
『別れたんなら私と付き合って』
馬鹿馬鹿しくて、オレはそのルーズリーフをくしゃくしゃと丸めた。
あぁ、なんでこんなにイライラするんだろ。
多分、新條が傍に居てくれないから。
「しんじょー不足だなぁ…」
ぽつり。
誰にも聞こえないくらいの声で呟いて、さっきみたいに窓の外に視線を流した。