【完】プライドなんか知らない
そんなことを思いながら、ぼんやりと空を眺めていたら、聞き慣れた新條の声がした。
「こんな所に呼び出して何?」
「新條、好きだ!付き合ってくれ」
あー。
……嫌な予感がする。
「ごめん、ムリ。付き合えない」
「どうして?岡田と付き合ってるから?」
「……は?」
「え…?つ、付き合ってないのか?」
「付き合ってない。でも、あんたには関係ない」
「じゃあ、付き合ってないならいいじゃん?なぁ?」
「…っ。うるさいな!しつこい男は大嫌いなんだってば!」
そう言って、出口に向かおうとする新條にそいつは粘ってこう叫んだ。
「俺、絶対に好きにさせてみせるから!!」
はぁー…なんか疲れる。
なんでこいつ、1回で諦めないかな?
しつこいの嫌だって言ってんのに、ねぇ?
案の定、新條はイライラMAXと言った後ろ姿で屋上を去っていった。