【完】プライドなんか知らない


その後の言葉も分かってる。


…聞かなくても。
 


「あぁ…。この極上メロンパンが、あやちゃんのお陰で、毎日のように食べられるなんて…幸せ過ぎるよ…カミサマ、サンクス!」
 
「や、そこ、オレにお礼言って頂かないと」
 
「あ、そっか…」
 

この女王様こと、新條朱莉(しんじょうあかり)は校内きっての美少女。

濡れたようなつやつやの黒髪ロングヘアに、アーモンド型のスッと切れた瞳。パッと見はクール系女子に見えるけど、仔猫な所以外はそうでもない。
 
そして、その執事…こと、オレ岡田綾斗(おかだあやと)は一応、校内モテる男子ランキングでNo.1に選んでもらってる。
ありがたいね。


でも、あんまりそういうのに興味はないや。
 

新條と出逢ったのは一年の二学期。
保健委員になったのをきっかけに仲良くなった。
 
最初は、なんていうか…。

 
「何?この子…?」
 
という感じがするほど感情の起伏が激しくて、正直困っていたんだけど。



今ではこの通り、なんとかコントロールが出来るようになった。

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