【完】プライドなんか知らない
でも。
実際に話をしようと教室で待ち伏せしてみても…。
あやちゃんは姿を見せない。
もうすぐ午後の授業が始まるというのに…。
「~~~~っ!もぉっ!このままじゃダメだ!!」
いつだったか、あやちゃんが「キレイだね」ってほめてくれた髪をかき上げて。
あたしはあやちゃんを探しに行く為に屋上へと向かった。
その途中で。
「新條さん、話があるんだ、ちょっといい?」
「あたし、急いでる…」
「じゃあ、歩きながらでもいいからさ」
もー。
面倒くさい。
本気でムカムカする。
「しつこいって」
「だってこうでもしないと新條さん話聞いてくれないだろ?」
「だから、しつこいってば!」
「そう、つんけんしないでさ、お願いだから話聞いてよ、ね?」
なんなの?
こいつ。
ほんとしつこいし。
自分勝手だし。
何より人の進路塞いでるし!
「ちょっと!邪魔しないでってば!」
「岡田のこと、もしかして探してるの?だったら、あいつさっき女子から呼び出されて、どっか行ったからムダだよ?」
「…っ」
「必死だね。実は新條さん、岡田のこと…」
「うるさい!黙れ!ネチ野郎!お前に一体何が分かるって言うんだよ!退け!」
…ぷちん。
どこかが切れて、気付いたらそう叫んでた。
どいつもこいつも本当にムカつく。
「新條さん」なんて気安く呼ぶな。
人の気持ちを勝手に揺さぶるな。
…あたしとあやちゃんのことに口出すな!
言いようのない怒りが満ちてきて、あたしの目頭はカァーっと熱くなる。
あやちゃん、どこにいるの…?