【完】プライドなんか知らない
「しんじょー…」
「なに?」
「これ、あげよっか?」
差し出されたイチゴ味のキャンディー。
それを誰よりもこよなく愛してるのを知っているのはあやちゃんだけ。
だけど。
「ふーん。もらってあげてもいいよ」
そうじゃなくて!
「じゃあ、帰り、寄り道してく?」
「あやちゃんがしたいならしてあげてもいい」
だから、ちがくて!!
段々とかわいくなくなっていくあたし。
まるで一人パニック。
バカみたい。
バカみたい。
でも。
「好き、になっちゃったんだもん…」
いつものように最寄の駅まで送って貰った後。
家まで歩きながら、ぽつんと呟いた。