【完】プライドなんか知らない


「岡田センパイ!」
 
あー…。

面倒だな、こりゃ。
 

逢った瞬間から、瞳をウルウルさせている目の前の子に、失礼ながらそう思った。

 
「…で、なぁに?」
 
「あのっ!私、ずっとセンパイのことが好きでした!」
 
「んー…。ありがと。でも。ごめんね?」
 
「……っ。どうしてもだめ、ですか?」
 

 
本当、面倒。
 
 
「うん。どうしても。だから、ごめんね?」


 
それだけ告げてから、教室へと戻ろうとすると、ぎゅうっと手を掴まれた。
 

「なに…?」
 
「あのっ!私、…っ」
 
「オレ、聞き分けのない子は余計に嫌いだよ?」
 
「……っ。ご、ごめんなさい、でも…」
 

 
しつこい。
 
 
「あんまりしつこいと……怒るよ?」
 

 
それで漸く、オレは解放された。
 
 
てか、本当に慣れないことはするもんじゃないね。
肩が凝ってしょうがないや。


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