ラストボール。〜君がくれた奇跡〜
《病室》
「……星也くん…」
あとで駆けつけたチームメンバー、紗菜には監督から状況を伝えてもらった。私は…星也くんの側を離れられなかった。手を握って…帰りを待っていた…
「星也くん…」
星也くんは、呼吸器をつけて眠っている。彼は、自分の病気に気づいていたのかな…と思ってしまう。でも、それ以上に…
「私がもっと早く気づいてあげていれば…」
前日練習の時に見たあの一瞬の表情は、気のせいじゃなかった…さっきだって…
「ごめんね…星也くん…」
「心春、そろそろ家に帰ろう。家まで送っていくから」