ラストボール。〜君がくれた奇跡〜
「監督…」

そこにいたのは、監督だった。

「心春ちゃん…ごめんな…」

監督は私に頭を下げた。でも、理由が分からなかった。

「心春ちゃんに辛い思いさせてごめん…星也も心春ちゃんの気持ちはわかってると思う。だから…」

「監督…」

「心春…!」

「星也くん!」

後ろにいたのは、車椅子に乗ってメンバーに押してもらってる星也くんだった。
星也くんの顔色は、明らかに悪かった…
体調も絶対良くないはずなのに…

「どうして…無理したら体に毒だよ!」

「心春の辛い顔を黙って見とけって言う方が無理!!」

「!!」

「でも、そんな顔させてんのは俺なんだよな…ごめんな…」

「星也くん…」

「心春…頼みがある…」
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