ラストボール。〜君がくれた奇跡〜
「残念だったな、俺にはお見通しなんだよ。…ごめんな…」
「なんで…謝るの…?悪いのは私なのに…」
そう、私が悪い…星也くんはなにも悪くない…なのに…
「心春は悪くない。俺が病気のせいで、心春に無理させちゃって…」
「星也くん…」
「でも…俺…心春が彼女でいてくれてよかったって思ってるから。心春がいてくれたから俺は病気になっても頑張って来れたんだ。目が見えなくても、側にいてくれたおかげで怖くない。全部、心春のおかげだよ…ありがとな」
そう言うと星也くんは、微笑みを浮かべながら涙を流した。
「あれ、変だな…俺、なんで泣いてるんだろ…はは…」
どうして悩んでいたのかな…
こんなに大切に思ってくれていたのに…
私は自分勝手だった…
星也くんを1番悩ませていたのは私だった。
私は動かない星也くんの手を静かに握った