気まぐれな君は
「その通りだね」
「そうだね」
画面をスクロールしながら言う柳くんに真白くんと私が同意すると、柳くんが笑った。
「監督に話したら、ホームページにリンク貼ってやる、って。その代わりこっちのホームページのリンクも貼ってくれって頼まれたんだけど、都築さん大丈夫?」
「いや全然大丈夫っていうかよろしくお願いします」
「バナーとかあるといいよね。あるんだっけ?」
「ないから作っておく。確かに分かりやすいね、その方が。お兄ちゃんにも連絡しとくね!」
「ばなー?」
柳くんありがた過ぎて泣ける。持つべきものは友。
早速お兄ちゃんに連絡してから、画像欄を漁ってバナーになりそうな画像を選ぶ。首を傾げた真白くんは柳くんに預けることにした。画像作りは任せてほしい。
丁度いい具合に猫の画像を使って、トリミング、それから文字入れ。スマホで作ったのをパソコンに送って弄る。そんなに難しくはないのでそれで完了。
柳くんに監督さんと繋いでもらって、私が直接お話をさせていただくことになった。それにしても、今更だけどホームページ持ってるってすごいな。訊くと、結構大きいチームだったとのこと。ホームページがある時点で察したものである。
「これで少しでも増えるといいんだけどなあ」
「監督が生徒にも話してくれるってから、ひと家庭くらいいそうなもんだけどな」
「柳くんありがた過ぎる」
「俺だって猫好きだし、捨てる人の気持ちわかんねーからできることはする」
だから気にすんな、と言ってくれた柳くんに心の底からありがとうを伝えて、真白くんに向き直った。うん? と首を傾げた真白くんにもありがとうと一言。真白くんがいたからこそできた繋がりだ。
「てかさあ、ねえ冬馬」
「あ? んだよ」
「俺のこと。都築さん」
「あー……だなあ。まあ、確かに」
はて。
唐突に雰囲気の切り替わった真白くんに、柳くんも空気を切り替えた。こういう話題転換、真白くんって唐突だよなあと思いながら二人を見守る。どうやら話題の中心は私らしい。
真白くんの話題転換の唐突さはいつものことなので、もう気にならなくなった。話題だけならまだしも、態度も結構変わったりすることもあるので付き合いの浅い人は勘違いしてしまう人も多いらしい。面倒だよなこいつ、とは柳くんの談。