気まぐれな君は
真白くんは子供っぽい。気まぐれで、話題もすぐに変わる。でもそういうところが見ていて飽きない。寧ろずっと見ていたいなあ、とそこまで考えて、はっとした。
私、今なんて。
ずっと見ていたいって、どういうことなんだろう。
自分の気持ちがよく分からなくて、考えてしまう。見ていたいっていうか、一緒にいたい、の方が近いのかもしれない。見ていて飽きないじゃなくて、隣にいて飽きない、だ。見ているだけじゃなくて、話はしたい。
それっていったいどういうことだろうか。
初めて自覚した自分の気持ちに、私は内心でたじろいだ。それって、なんか、私が真白くんに。
「つーづーきーさーん」
「……っ、はい!?」
「やっとおれのこと見てくれたー。ねえねえミサンガ、買わない?」
「う、ん……あれ、二人は?」
「あっちでポテトと人形焼買ってる」
考え込んでしまっていたらしい、我に返ると真白くんの顔が目の前にあった。
びっくりして身を引いた私に、真白くんがふにゃんと笑う。どうやら気づけば折り返してきていたようで、すぐの場所にあった雑貨屋の前で足を止めた真白くんは何本も並ぶミサンガを指さした。
若葉と柳くんは、それぞれフライドポテトと人形焼に並んでいる。私はもう一度真白くんに頷くと、色とりどりのミサンガに視線をやった。
ミサンガなんて小学校の時以来かもしれない。懐かしいなあ、と思いながら手に取るのは白ベースの水色。真白くんにぴったりだ。
「都築さんのは俺が選ぶから、都築さんは俺の選んでね。あと冬馬のかー」
「三人?」
「共有者……共犯、かな?」
小さく笑った真白くんに、どう反応していいのか迷った末に私も笑った。
さくっと決めて会計を済ませている真白くん尻目に、真白くん用にと選んだものを持ったまま若葉とのお揃い用も選んでおく。仲間外れと言われかねないので、今日来れなかった二人の分も買っておくことにした。
そうして選んだ女子組お揃いの分と、真白くんの分の会計を済ませる。それを待っていた真白くんがはい、と私に一本ミサンガを差し出していて、真白くんに買ったものと交換した。
青ベースに水色が混ざった、スタンダードな柄のもの。お互い似たようなものを買っていることに気付いて、二人して笑う。真白くんが選んだ柳くんの分も似たようながらで、そういえば三人とも青系統のイメージの名前だなと今更ながらに気付いた。