たまゆらのはな
ピピッピピッピピッーー……
音が頭に響く
普段なら二度寝をかまして布団に潜るところだけど
顔に少しくすぐったいさわさわとした感覚と妙に温い風の
いつもと違うものを感じ
まだはっきりとしない視界に目をこすってあくびをした
「ふわぁあ〜……んーーーねむ…
………ん!?」
え、ええ!?
目の前には高台に広がる高原で
私はその芝の上で寝そべっていて
高台の下には瓦作りの家が立ち並んでいる
「え、え、ど、え……!?」
え、どういうことなの!?
ちゃんとした言葉が出てこない
「ここどこ!?私の家は…!?」
ん…まてよ
私はぐるぐると頭の中で思考を巡らせる
考えども答えは出ない
こんなこと小学生でも答えられるわ!
いや、そんなことはどうでもいいよね!?
あれ、
あれれ?笑
「私…誰だっけ…?」
世間一般に言う、
記憶喪失である