たまゆらのはな
「次は外さぬ。死ねぇ!!」
再び私に刀を振り下ろされた
あ、やだ、死ぬ…!!
ぎゅっと目を瞑る
キンッベシャッ
瞬間走馬灯が見えた…
マンション住まいで電車に乗って登校して
顔は分からないけど友達と笑いあったりして
そんな日々の生活が頭に浮かんだ
あー私ここで死ぬのか
散々な人生だったな
記憶喪失してよく分からないことに巻き込まれ街中でナンパで殺人事件とか
この後テレビとかに出たりして
「…ぇ、…ねぇ!大丈夫?」
ぱちっと目を開けると私はどうやら無事なようで
安心して腰が抜けてしまった
「大丈夫?」
そう手を差し伸べた青年は一言で言うなら綺麗だった
栗色の髪に整った容姿、ほどよく筋肉のついた体格で年は割と近いんじゃないかって
ぼーっとそんなことを考えていた
「ねぇ、キミ本当に大丈夫?」
「へ!?…っあ、だ、大丈夫!!です…!」
声裏返った恥ずかしい…!!!
「よかった、なら早く立ったほうがいいよ」
「へ?」
「血、つくよ」