オフィスラブ〜上司は幼なじみ〜
玄関の扉がうるさく鳴る。
ドンドンドンドン
「おい!葵帰ってるか?」
扉の向こうからきょーちゃんの声がした。
「おーい!聞こえ…うぉっ開いてるし。」
きょーちゃんは私の元へ駆け寄る。
どうしてここにきょーちゃんがいるのか
訳が分からずパニックになる。
「お前、用心悪すぎ。
鍵ぐらい掛けろ。」
「…。何でいるのよ。」
「後付けてたのバレバレ。
…てかお前、全身びしょ濡れじゃねーか。
早く乾かさないと風邪引くぞ。」
きょーちゃんは鞄からタオルを取り出し、
私の頭を拭く。
「…バカ。
優しくしないでよ。白石さんと
楽しく食事にでも行ってたんでしょう?」
私のことなんて、初めっから
好きなんかじゃなかったに違いない。