秀才委員長と俺
弁当についてた短い箸で、ぐちゃぐちゃのおかずを食べていく。
味は、普通に美味しかった。
すっげぇ早起きして、何回も作り直したんだろうな、っていうのが簡単に想像できて、ちょっと泣きそうになる。
油良の手を見ると、指先や関節に絆創膏が貼ってあるし、手首には小さいガーゼが貼ってある。
その手をとって、ガーゼの上からキスをする。
「油良、ありがとな」
「……うん」
明日は普通に渡すから、そう言って笑う油良に、もう一度キスをした。
【終わり】