あれ…幼なじみの彼が…?
「あら…居酒屋でいいの?」
「うん!!!」
つい、取り乱して元気よく返事してしまった。
さきいかは無理でもお酒が飲みたいのさ、今日は!!!
お疲れ様、私!
なにが旧友との再会ダァ!
今日私は血を吐くほど仕事を頑張ったのだ!
このくらい許してもらえるだろう!
「…ふふ、そーゆーところ本当に変わらないわねぇ。」
「へっ?」
「誰に対しても素直、っていうのかしら。自分を貫くところ。」
「そんなぁ…今のはるくんには敵わないよ…」
「あら、それを言われたらおしまいだわ!」
冗談をいいながら居酒屋へ入る。
「はるくんは何のお仕事してるの?」
「私はメイクアップアーティストよ」
「ええぇ!?メイクさん!?すごーい!」
「ふふ、ありがと。
これ、ここでお店もやってるの。是非来てね。」
名刺をスッと渡される。
自分のお店を…?すごいなぁ。
昔からファッションセンスや芸術の才能は、ずば抜けていて、お洒落でかっこいいなぁとは思っていたけど。
まさかメイクアップアーティストなんて…
「今度、必ず行くね!」
「ええ。待ってるわ!
さっちゃんは?」
「私は普通のOLだよ〜。」
「…疲れ溜まってるんじゃない?」
「そりゃね…。毎日上司にこき使われてばっかりだし!思い出すと、本当にイライラする!」
「それが顔に出てるわ〜!日々の疲れやイライラは顔に出やすいのよ。ちゃんと眠ってる?」
「う…」
「どうせ、ふざけて夜遅くまで起きてるんでしょ!ほんと、そーゆーとこ変わってない!」
はるくんには全てお見通しだ。
高校生のとき、まんがを夜遅くまで読みふけって次の日にクマが酷いまま学校へ行ったことがある。
そのときもはるくんに同じようなこと言われたっけ。
どうせまた夜更かししてたんだろ。
あー…思い出してきた…懐かしいなぁ
「ちょっと!聞いてるの?ちゃんとケアしないと今はまだ大丈夫でも将来苦労するわよ!」
「は、はーい…」
そんなこんなでずっとこんな話を続けていた