あれ…幼なじみの彼が…?











「うっわぁー!!素敵…!」

朝食の後はるくんの準備を少し待ってから今は、はるくんのお店に来ている。


はるくんはお店の常連客からは はるちゃん と呼ばれているらしく、なかなか儲かっているらしい。
それくらい腕が確かなんだろうなぁ。


「ここ、座って!」


「え、なぁに?何してくれるの?」


「ふふっ!魔法をかけてあげるわ!」



そう言ってはるくんの顔が迫る。


「わわ、なになになに!?」


「じっとして。」


はるくんはしばらく私の顔を見たあと、ニッコリとしてメイクし始めた。

なるほど、メイクしてくれてるのか…


えぇ!?メイク!?

確かに今私すっぴんだけど!!!
朝顔洗って何もしてないけど!!!



「はるくん…私、今日メイクしなくていいよ…?仕事ないし、何も予定ないし…」


「あら、そうなの?
まぁでも座ってて♪」


「う、うん…」


そう言ってメイクを進めるはるくん。
なんだろう、練習とかしたいのかな…?

まぁメイクして貰って損は無いし、プロにしてもらおっと!




そして数十分後…



「す、すごいね…別人みたい…」


「可愛くなるものね〜!このメイク、今度から取り入れていこうかしら!
まぁさっちゃん、元から顔立ちハッキリしてるし、メイクしやすかったわぁ!」


「え、うん…ありがと?」


はるくんの施してくれたメイクは、さすがプロといった感じだった。
予想通り、練習台に使われたっぽいけどそんなのを感じさせないくらいの腕がある。

これは人気になるなぁとしみじみ感じた。


「私、今度大事な日とかに来ようっと!」


「あら、ほんと?それは嬉しいわ〜!」


「あ…今日、持ち合わせないからこの分はまた今度払うね!」


「何言ってんのよ!さっちゃんと私の仲じゃない!それに練習にもさせてもらったし、お代なんかいらないわよ!」


「ほんと?やったー!ありがと、はるくん!」


「ええ!あ、ちょっと待って。じっとしててね。」


そう言って私の顔に手を伸ばすはるくん。
なにか付いてたのかな?
自然と目を閉じる。




…ちゅ




…ん?




目を開けると近くにはるくんの顔があった。



「…これも、サービスの1つ?」


「そんな訳ないでしょっ!さっちゃん限定サービスよ(ハート)」


「…そ、そう…」




…柔らかかった。
さすがプロのメイクアップアーティスト。肌のお手入れや唇のお手入れは抜かりない。


こんなことを考えていると


「あんた、ちっともドキドキしないのね…」


「えっ??」


「こう、いきなりキスされてびっくりしてドキドキするものじゃないの?」


「びっくりはしたけど…ドキドキはしないかな?はるくんだし」


「…そう…。」


少し悲しそうな顔のはるくん。
なんだか可愛い。



少し間がたった後、はるくんが言った。




「ねぇ、少し外を歩かない?店を開けるまでまだ時間あるのよ。」


特に用事も何も無かった私は了承して、はるくんと外へお散歩に出た。






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