あれ…幼なじみの彼が…?
「さっちゃんと歩くのなんて懐かしいわねぇ。」
「そうだね!高校の頃はほぼ毎日一緒に帰ってたもんね!」
「ええ。あの時からさっちゃんのこと好きだったわ。」
「え、ほんと?」
「ほんとよ。可愛くて純粋で素直なさっちゃんがずっと好きでね。
でもオネェの趣味なんかがある人なんて嫌われると思って、告白も何も言えなかったわ。」
「えー…そんなことないと思うけどな…」
はるくんは本当にいい人だった。
地味な私に声をかけてくれて、そこから私も段々クラスに馴染めたところもあるし。
本当に感謝してる。
実際、高校の頃はすごく好きだった。
両思いだったんだな、あの頃。
「さっちゃん」
「なぁに?」
「私と付き合うこと、考えてみてほしいわ。」
はるくんと、付き合うこと。
「私本当にさっちゃんが好きなの。
手を出したのも半端な気持ちじゃないわ。そりゃ酔ってる相手を襲ったのは問題だったけど、本当に好きなの。」
「…はるくん。」
「だから、少しだけでもいいから考えてほしいわ。」
高校の頃から、ずっと、今まで?
オネェの趣味があることも、今は隠さず伝えてくれていて。
中身は全然変わってない。
面白くて、優しいはるくん。
「…うん、前向きに考えてみるね。」