愛してるまでの距離



キャンプの班を決めるホームルームが終わり、下校時間になった。


「由波さん、帰りましょう」



当たり前のように毎日私の元にくる翠。


こんなことまでしなくていいのにって何回も思ったけど、何言っても翠は引かないし、思うだけ無駄なことはわかってる。



「あ、由波さん、今日由里子さんが会社に来るようにって」


由里子さんとは私の母


私に直接伝えたらいい要件を翠を通して伝えるのには訳がある。



「分かった。翠も行くの?」



「はい、俺も一緒にって言われました」



「そっか」



翠と私を会社に呼び出すなんて嫌な予感しかしない。


きっとまた変な企みをしてるに違いない。


< 9 / 22 >

この作品をシェア

pagetop