秘密の陰陽師 【参】
「キャッ…」
間抜けな声を出してしまった
いつもの感じと違ったのは
その人物が
私の後ろに立っていたから
──────ドクッ
心臓がうるさく音を立てる
陰陽師である私が後ろに立っている人に気づかなかった…?
そんなことありえない…
不安の波が一気に押し寄せてくる
全身黒に包まれていて
かろうじて見えるのは目だけ
気配を消すことに関してはプロ並み、
それに黒い服装…まさか…
「忍…なの…?」
私は震える声で聞く
情けなく今の状況に恐怖を感じている
「あぁ。」
その人は低く落ち着いた声で短く答えた