秘密の陰陽師 【参】




きっと何も関係ない子を誘拐してきたことに
相当怒っているのだろう



「すみません…」




俺はグッと拳を握りしめた




俺は知らなかったんだ。
この女の治癒能力は傷を治すのではなく
人の傷を自分に移し替えるものだという事を。




「とりあえずこの子は東京に返す」




璃玖様はそう言った




せっかく…探して…




せっかく…
やっと璃玖様のお力になれると思ったのに…





「はい…」




俺は悔しい思いをグッと抑えてそう言った



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