秘密の陰陽師 【参】
璃玖は何も言わず、
ただただ私の顔を泣きそうな目で見ていた
「帰るぞ拓海」
「あぁ外に大蛇が待ってる。
すぐに乗って帰るで」
そう言うと舜は私の手を引っ張り、
璃玖の部屋の出口へ歩いていく
私の涙は止まることなく
璃玖は悲しい目をしたままで
私達はその場に従うことしかできなかったんだ
璃玖の部屋を出てから
舜にどんどん引っ張られていく
その手は強く強く握られていた
前を歩く舜と拓海の背中からは
怒り、後悔、悲しみ
色々な表情が見えた