秘密の陰陽師 【参】
そして



「終わったで〜」



いつもの調子に戻った拓海がそう言う




「あの…金狐は…?」




金狐が吸い込まれたっきり
出て来る様子がない




「あぁあの狐さんならこのお札のなかや。
もういっそのこと一生閉じ込めとこかいな」




ニヤッといたずらっ子のような顔をした拓海がそういう




「もう!ダメだよ拓海!
早く金狐を出してよ!」




私が必死にそう言うと




「出すからそない怒らんといてや〜

いでよ我が式。九尾!」




拓海がそう唱えると
そのお札からボンッという音とともに
九尾の姿の金狐が現れた
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