彼女は王子様
「ふぅん、それで居候させて貰ってた友達んちも追い出されちゃったんだぁ」
「つか、居候しとったんがリーダーんちやったんで必然的に出て行く羽目に……」
グラスたっぷりに注がれたミルクをちびちび口に含みながら祐が愚痴る相手はライブハウス『コック・ロビン』のマスター、ヤマ。
物腰こそ女性らしく優しい物言いではあるが身長は177センチと高めで程良く引き締まった身体。高校球児の様に短く刈られた毛の無い頭に昔の軍人が被っていそうな軍帽を被るその姿はとても異様とも言えた。
大阪から一人ミュージシャンになる為上京してきた祐が初めてライブを行ったのもこのライブハウスだった。
桐島祐、19歳。東京に来て初めて遭遇した挫折だった。
「つか、居候しとったんがリーダーんちやったんで必然的に出て行く羽目に……」
グラスたっぷりに注がれたミルクをちびちび口に含みながら祐が愚痴る相手はライブハウス『コック・ロビン』のマスター、ヤマ。
物腰こそ女性らしく優しい物言いではあるが身長は177センチと高めで程良く引き締まった身体。高校球児の様に短く刈られた毛の無い頭に昔の軍人が被っていそうな軍帽を被るその姿はとても異様とも言えた。
大阪から一人ミュージシャンになる為上京してきた祐が初めてライブを行ったのもこのライブハウスだった。
桐島祐、19歳。東京に来て初めて遭遇した挫折だった。