彼女は王子様
「あ」
そんなヤマの脳裏に突如ある案が浮かんだのか、上げた声に祐が顔を向ける。
「そういえば1つ、ギター不在で活動休止のバンドがあったのよ。口聞いてあげましょうか?」
「え、ギターっスか……?」
祐の専門はベースで、同じ弦楽器とは言えどヤマの言葉には難色を示した。
しかし選べる立場でも無い事は自分が良く分かっているので、その提案には話を聞くだけでもと頷くしかなかった。
「緋景ちゃん!」
ヤマがカウンターから身を乗り出し一人の少女を呼び寄せる様に手招きをする。
突然この話をし出したのも、偶然このライブハウスに遊びに来ていた彼女を見つけ出しからだった。
突然名前を呼ばれた緋景(ひかげ)は隅の壁に寄り掛かりカップに入っていたジュースを飲みつつ一緒に来ていた友達と談笑しているところだったが、壁から背を離してカップ片手にヤマに近寄る。
そんなヤマの脳裏に突如ある案が浮かんだのか、上げた声に祐が顔を向ける。
「そういえば1つ、ギター不在で活動休止のバンドがあったのよ。口聞いてあげましょうか?」
「え、ギターっスか……?」
祐の専門はベースで、同じ弦楽器とは言えどヤマの言葉には難色を示した。
しかし選べる立場でも無い事は自分が良く分かっているので、その提案には話を聞くだけでもと頷くしかなかった。
「緋景ちゃん!」
ヤマがカウンターから身を乗り出し一人の少女を呼び寄せる様に手招きをする。
突然この話をし出したのも、偶然このライブハウスに遊びに来ていた彼女を見つけ出しからだった。
突然名前を呼ばれた緋景(ひかげ)は隅の壁に寄り掛かりカップに入っていたジュースを飲みつつ一緒に来ていた友達と談笑しているところだったが、壁から背を離してカップ片手にヤマに近寄る。