ドクターと恋を始めました。【完】
「あ、腕出して。」
「…え?……ん?」
言うことを聞いて腕を出した。
楠見君はあたしの手首に指を当てた。
うん、何となく覚えがある。
よーく、愁さんがやってるやつだよね。
「脈、乱れてる。…来て早々で悪いけど今日は帰った方がいいと思うよ。
それに今日は低気圧みたいだしそろそろ雨降ってくるよ。」
季節は6月中旬
絶賛、雨季の季節である。
季語で言えば梅雨だね。
「え、でも…ですね〜?」
「じゃあ、千葉、今の体調は?」
「すこーしだけ、動悸が…する程度です。」
楠見君の言う通り、外の景色はほとんど曇っていて雨が降りそうな状況だった。
「梅雨の間は学校休んだら?」
「これ以上休んだら授業についていけないじゃん!それにテストも!」
「自分の体調を優先に考えろ。テスト受ける前に倒れててもしらねーぞ。」
「…ゔ。」
本当に痛いとこを突いてくる。
あたしも自覚しているもん。(一応)