ドクターと恋を始めました。【完】
それにしてもこいつは本当に病院嫌いなんだな。呼吸器内科に少し診てもらうだけなのに。
「愁さんの馬鹿!あたしの気持ちを無視してまで病院に行きたいの?!」
「俺も別に休みなんかに病院行くつもりなかったけど喘鳴聞こえるんだから仕方ないだろ。琴音は心疾患あるんだから油断できないんだよ。…わかるか?」
多分、これだけ言ってもこいつは理解してくれないと思う。
本当に自覚してほしい。
手術成功したけど、完全に完治しているわけではないということを。
そんなことを話しているうちに病院に着いた。
「…」
病院に来て黙り込んだ琴音。
本当にこいつ子どもみたいだな…、
高3のくせに…。
「病院着いたからお嬢さん、降りて。」
「…あたし行かない。」
「ふーん?別に来なくてもいいけどここに呼吸器内科の先生連れてくることになるよ。」
どっちにしろ、気管支喘息は俺の分野ではないから行かないといけない。
「…愁さんの意地悪。」