ドクターと恋を始めました。【完】
「あたしは一人っ子だから何だか羨ましいと思うな。」
「…兄妹いてもうるさいだけだぞ?」
「ううん、そんなことないと思う。
あたし小さい頃からお兄ちゃんやお姉ちゃん、妹や弟がいたらどんな生活になってたんだろうってよく考えてたもん。」
一人っ子のあたしにとっては兄妹は本当に羨ましいもので、
小さい頃から1人で過ごす時間が多かったあたしにとったら欲しかったもの。
お姉ちゃんや妹がいたら一緒にショッピングとか恋バナとかしたんだろうなーって…、
「俺と結婚したら、琴音に義理のうざすぎる兄妹はできるぞ。
…ま、お前はそういう運命だけどな。」
そう言いながらクスッと笑った。
って、今この人軽々しく…
「…ぷ、プロポーズっ?!」
「ばーか。…でも、本当のプロポーズは琴音が高校を卒業してからするよ。」
あたし今一番幸せかもしれない。
数ヶ月前まで、こんな事があるなんて思いもしなかったし幸せになったらいけないと思っていたから。
あたしを愛してくれる人なんていないと思っていた。
嫌われていると思っていたから。
「はっ?!ちょっ、何で泣いてんだよ。」
「ゔぅっ〜、愁ざぁーーん″」
涙が溢れて止まらない。
お母さん、あたし見つけたよ。