ドクターと恋を始めました。【完】
「愁さんは病弱なあたしを今襲わないよ。」
「…まじで、琴音ムカつく。
そういう所だけ、無駄に余裕なところ。」
小さく笑って、
少しため息をついた。
「だって、愁さんは優しいから。」
「俺だって男なんだから、好きな女の前で余裕なんて全くないから。」
そう言って頬を赤らめた。
その姿が愛おしくて、どこか可愛くて、
ああ、好きだな。って実感させられた。
「あたしにはこれから先もずっと愁さんしかいないよ。
生きる希望は今までもこれからも愁さんってことは変わらない。
例え、愛想つかされたとしてもあたしは愁さんのことを思い続ける。」
来世でも、
きっとあたしはこの人に恋をする。
愁さんという人間に…
「…っ、俺は絶対に愛想なんてつかねぇよ。琴音以外の女なんて有り得ない。
こんなにも愛おしいと思うんだ、
手放すわけないし、絶対に手放さない。」
─── ドキッ
あたしはこれから先もきっと愁さんに適わないと思う。
今だって、胸がドキドキと大きく鼓動をうっている。