ドクターと恋を始めました。【完】
愁side





俺の彼女は高校生、
心臓病を患っていて挙句喘息まで判明。

更に、不整脈などで他の高校生達よりはるかに体が弱い。


そして極めつけにいえばPTSD、


心の病気をも患っている。



それは絶対に治る、と言いきれない彼女がこれから先背負っていく闇でもある。



たまに琴音が眠っている時、うなされている時がある。


その時にいう言葉は決まって、



『お母さん…、』の一言に限る。




「琴音、…朝だけど体調どう?」


「…っ、ん、」




寝返りを打つ琴音。
スヤスヤと眠る姿は本当に可愛い。




「学校遅刻するぞ。」


「…あと、10分……」




可愛いから何をしても許せる。
赤ちゃんみたいな感じだ。


琴音は低血圧らしく朝もなかなか起きない。


寝起きも結構悪かったりする。


起きて5分は基本的に無言でボケっとしてる。




「10分待ってたら遅刻するぞ。」


「…んー、」




そう言ってまた布団に潜る。

俺が夜勤の日どうするんだよ、
絶対遅刻するぞ。




「起きろ、朝は送って行ってやれるけど今日当直だから帰りは迎えに行けないが。」


「…」



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