ドクターと恋を始めました。【完】
愁side






『…っ、すきっ、あたしちゃんと愁さんのことが好きだよっ…』




さっきから、琴音が言ったことが頭の中で繰り返してリピートされている。


その言葉を言った張本人は今俺の前で無防備にスヤスヤと寝ている。


発作もあって疲れて寝てしまったのだろう。


だが、あんなことを言う琴音は珍しい。


何が、琴音を不安にさせていたのか…、


その答えは、多分俺の嫉妬なんだ。



琴音が俺を好きでもやっぱり男としては心配なものだ。


だって、高校に通っている間は理於君の方が琴音といる時間が長くなる。




「…分かっていても心配になるんだよ。」




医者という職柄、休みというものはほとんどない。謂わば、ブラック化。


だから、普通のことをしてやれない。


休みを取ってもいつ電話が鳴るかもわからないし普通の女子高生達がしているデートもしてやれない。


それに愛想をつかれてしまうのが一番の怖いことである。




「俺はお前のこと溺愛しすぎて怖いよ。」




高校3年生と28歳の年の差恋愛。
何歳差の恋愛だと思ってんだよ。


若けりゃ若いほど心移りは早い。



信頼してないわけじゃない。



ただ、どうしても心配になるんだよ…。



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